2016年6月24日金曜日

白い箱

目的はなんですか
母の気持ちを
少しでも痛めつけることが目的ですか

皆は意識もせず
母はその母に、その母はそのまた母から
愛と憎しみを携えられ
子にそのまま受け渡される

自然とは両局面をもち
命の誕生に笑いも怒りもしている
愛しても恨んでもいる
内臓損傷され
輝く子は我がものではないという
理不尽さがいやなの?

明らかにしなくて良い詩は
虚構と美しさがあればよく
ある種の同情票が
ある種のこれしかできないんだろうな
よくやった、みたいな
自尊心を満たすための偽善が
賞を与えるのだろうか

苦しみを苦しみと言える自由
静かな世界をきく

そこには精神だけがあり
侮辱される仲間や医療や世間や制度
傷ついた重たい
肉体や心がない詩は…


かたや出産に悶え苦しむ作家の話
生はそんなに
難しくて醜いことなんだろうか

生の根源の悲しみに
もっていかないで、悲しくなるだけだろう
辛くなるだけだろう

だまされないで
何かを根拠にわかる、だけの人たちに
あなたのそんげんを与えないで

叔母と
「生き」るため葬った白い箱
痛い、痛い
返り討ちにあう ガラスの破片

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