目も眩むような恋をして
私達は寄り添い
夏を乱し
冬を超えた
辿り着いた宿でも
伏し目がちなあなたは
今、何を想う
あなたの頬を突き刺す
この明かり
揺れる光を手探りに
知りたいと求めたなら
いつもの結末が
そっと迎えにくるだけ
川に笹舟を流すように
すべての罪を洗えたら
遠い海に帰れる
あなたの在り方は
どこまで追いかけても
捉えられぬ
月明かりのよう
蜜をからめあげ
窓の外では若葉が青々と
鬱蒼と
森のように茂り
形なきものに名を与え
重く垂れさがるのは干し柿
縁側の昼過ぎ
並ぶ車両と駆け抜ける音が
静かな部屋に
斜めにかけたカーテンの隙間より
入ってくる
散らかりすぎた
痛みも
あの暑さよりは、かなしくて
切った糸の先に
温めあったことなど忘れた
そういう私が、見える