2020年1月31日金曜日

結婚。

あなたがいる、という事実から目を背け続けた。
私はあなたを愛せるか、それをじっとずっと考えていた。
私の演技も見破れないあなた。私の生き様を理解しないあなた。
私の本心を知りもしないで、自分の本心を押し付けもしてこないあなた。あきらめるあなた、ずっと愛しているというあなた。
泣かないことが強さだと思っているあなた。
もたれかかられているような、自分の寛容さにうぬぼれているような、
何一つ交わっていないのに年月だけで重ね続けるあなた、もう疲れ果てた。私のすべてを放置して、愛していると言っているあなた。
あなたはさぼっている。

私はもう疲れ果てたのだ。
この言葉だけ愛し愛されているという関係の中に、日常を費やしていることが、飼われている猫よりも疲れたのだ。
私の人生、というよりは私のふるまいにすべてをゆだねるあなたに疲れたのだ。
いてもいなくてもいい亡霊と過ごすことが世間的に良い「結婚している」のならば、
私は社会なんてとっくに捨てた世捨て者なのだから、まったくそんな存在は架空なので無視していいいのだ。
私はどこにいるのだろうか。
私は今、何と暮らしているのだろうか。

結婚も離婚もしていない、ただの流浪の旅人。
私は虚像をなんとなく理解して撫ぜている。
本体はそんなところにはない、この曇り空と同じ、
私の心はいつもどんよりと曇っていて、人々の知らぬところでイキイキと感情をもって生きている不思議。
歌の中。言葉の中。
私は音も言葉もなければ、私自体が存在しない。
見守られるのは太陽だけでいい、神だけでいい、私だけでいい。
よく空気のような存在だとかいうけれど、そんなものは私は要らないのだ、空気でいいのだ。

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